呼んでもらえればどこへでも…。

6月19日に配信スタートだった、小さくて広い世界 杉山健太郎 From My Actionがやっと7月3日から、Amazon・iTunes・mora他で、配信がスタートしました。
2週間遅れてしまいましたが、無事に各配信サイトで聴けるようになったのでぜひDL・ストリーミングして聴いてください。
今週は梅雨の影響でとにかく湿度が高く、特に6月30日は外出していると呼吸がしづらくとても大変でした。
3日には九州地方では観測史上最大の雨量を観測し、避難勧告が出されているのをニュースで見ていました。本当に現地の方のことを思うと心配です。
同じ世界で生きている以上は他人事と捉えず、何か自分に出来ることがあるかを考えて行動していきたいと思いながらも、何をすれば良いのか正直わかりません。
ですが、何か自分に出来ることがあるのかと考えることが意外と大事なことではないかと考えています。

 

6月30日に、リエゾン笠間という障害者施設で開かれた「第1回 KAKEHASHIスタディカフェ」に講師として呼んでいただきました。
リエゾン笠間のスタッフである浅井さんとは、約1年以上何かしらの活動を一緒に行ったり僕の生活の相談に乗ってもらったり、一緒にお酒を飲ませてもらったり非常に僕にとって大きな存在の方の1人です。

去年の11月にリエゾン笠間の利用者さん向けの講演会をさせていただき、今回で2回目の訪問でした。
リエゾン笠間の雰囲気はとても暖かく、僕が見る限りスタッフの方がとても明るく利用者さんに対してとても丁寧に接していて全国の施設のロールモデルになれば良いと感じています。
「KAKEHASHIスタディカフェ」にはリエゾン笠間の利用者さん、自治会の方々、障害を持っている親御さん、そして地元の区議会議員の方などいろいろな方が集まっていました。
まさにKAKEHASHI(架け橋)の場になっていました。
当日は「障害当事者研究〜想いにふれる〜」というテーマで、僕は自分の自立生活の経験からリスクを取ってでも、自分がやりたいことを行うことについてお話させていただきました。
また先週のブログに書いたように短期入所(ショートステイ)を経験したうえでの、施設内における障害当事者の自立や管理されることにも触れました。

 

今だから言えることですが、当日のテーマはすでに前もって聞いていました。
肝心の僕が話す内容は、全くパソコンで下書きをしたり、抑えておくべきポイントをピックアップせず当日を迎えました。
僕の他にもう1人講演者がいて、その方はリエゾン笠間の利用者で普段の生活の中で感じていることをお話されていました。その中で印象的な言葉は、自分は「介助をする側」になったことがない(なれない)のでスタッフの気持ちを理解することはできない」といったものでした。
一見、当たり前の言葉として捉えがちですが僕も同じで生まれてからずっと介助を受ける側です。いくら介助を受ける中で「相手の気持ちを考えて」と思っていても完全に相手の立場にはなれないと改めて思いました。
そのうえで、感謝の気持ちがとても重要になってくると僕は感じました。
そして僕が話す番になり、自立生活が始めた時や普段の生活で気をつけていることやMy Actionのことをお話させていただきました。
質疑応答の時間で、僕と同じ脳性麻痺の障害を持ったお母様から「今まで不安だったことややろうとして諦めたこと、今生活している原動力は?」という質問をいただき、僕は「自分自身が不安だったことはなく自立生活を始めた20歳から今日までの13年間は全力できているので、その時々で不安なことはあったと思いますが覚えていません。で、原動力になっているのは、1度しかない人生なので後悔したくないという気持ちです。」とお答えしました。
親の気持ちをまだ僕が感じたことがないので想像することしかできず、その時お答えした内容が果たして良かったのかと言葉のキャッチボールを終えた時に感じました。
その後の懇親会ではいろいろな方とお話し、日常の生活で関わることが薄い看護学校に通っている方や知的当事者の通所施設のスタッフの方とお話できて非常に良い時間でした。

 

懇親会ではお酒を飲みながらの時間だったので、気持ちが良くなってしまい皆さんの前で歌ってしまいました。
人前で歌を披露したのは3月の光が丘で行われたCherry Blossom Festa以来で、お酒を飲んでいたこともあり歌詞が飛んでしまったりしましたが緊張は全くしませんでした。
今回、「KAKEHASHIスタディカフェ」に参加させていただいたことで改めて、人との繋がりを大事にすることで呼んでもらうことができると心から感謝しています。
本当にありがとうございました。ちなみに、「KAKEHASHIスタディカフェ」が終わった後は浅井さんと大船駅前でお酒を呑みました。大船駅から東神奈川駅まで気がついたら寝ていて意識が飛んでいました笑
とても楽しい時間をありがとうございました。

 

7月2日は、TOTOテクニカルセンターでのヒアリングでした。
来年の東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて建物の中のトイレや駅のトイレを使用する際に、どうやってトイレを行なっているか、そのうえで困っている設備はあるかについてお話ししました。
JR新宿駅から歩いて約10分のところに、大きなビルがありその中にTOTOテクニカルセンターが入っていました。対応してくれた方はとても丁寧なのはもちろんですが、僕が驚いたのはエントランスが下の写真のようになっていてSF映画に出てくるようでした。
肝心な内容については、僕の場合排尿するときは車椅子から一度床やベッドに降りて行うので、ベッドがあるトイレが一番助かることと、尿器を洗浄するためにオストメイト用洗浄機があると介助者が尿器を洗浄しやすいことを伝えました。
それと3年前にワシントンへ行った時に感じたこととして、誰でもトイレとは別に男性用女性用トイレの中に、広い個室があったことを思い出し伝えました。
誰でもトイレが一箇所しかないと場所によっては混雑したり、小さいお子さんがオムツを替える時に誰でもトイレを使用すると車椅子を使っている僕らやオストメイト洗浄機を必要としている人にとっては、トイレの数に対して使う人の割合が合わないという点が非常に困るとお伝えしました。
今回、TOTOテクニカルセンターでのヒアリングを募集していた障害者団体の方とも前から繋がりを持っていてここでも人との繋がりが大事だと感じさせていただきました。

4日の夕方は小学校の先生と、今後の子供たちとの交流についての打ち合わせを行いました。
5月に行われた運動会を見に行ったきり、子供たちとは会えていなくこのまま夏休みに入ってしまう前に交流授業を行おうと話になり、日程調整や交流の内容を軽く先生と詰めました。
今年の2月に行った際に僕がたまに行っている、介助者募集アピールパフォーマンスの際に目立つようなものを作るためにアイデアを出してもらいました。
それを踏まえて、次回行った際に具現化しようという流れになりました。僕は、どんな形でも良いので、「一つのもの」を子供たちと作り上げたい。という想いがあり先生に伝えたところ賛成してくれました。
出来上がったものが、例え綺麗ではなく不恰好であっても一緒に作り上げたことに大きな意味が生まれてくると僕は感じています。
そしてどんなものが出来上がるのか、すごく楽しみ!!です。

 


My Action General producer・Performer Sugiyama.

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